文化観察
コンテンツの住所——.blogと.fyi、そして誰も来なかった
.blog、.fyi、.world、.fun、.club——これらの新gTLDに共通するのは、意味が直感的に明快であること、そして普及が振るわなかったことだ。
.blogは2016年にWordPressの親会社Automatticが約1,900万ドルで取得した。ブログプラットフォーム最大手が自らTLDを手にするという、これ以上ない「適材適所」の布陣。しかし、WordPress.comユーザーの大多数は依然としてサブドメイン(xxx.wordpress.com)か独自の.comドメインを使用しており、.blogの採用は限定的にとどまっている。
.fyiは「参考までに(For Your Information)」という明快な意味を持つが、ドメインとしての認知度は極めて低い。.worldも.funも.clubも、意味は伝わるが「だからどうした」という反応を超えられていない。
このパラドックスの根底にあるのは、ドメインにおける「意味の過剰」かもしれない。.comや.ioが強いのは、逆説的に、意味が希薄だからだ。.comは「商業」を意味しなくなり、.ioは「インド洋」を意味しない。意味が消えたとき、器として万能になる。意味が明快すぎるTLDは、その明快さゆえに用途が限定され、自らの檻に閉じ込められる。